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横山秀夫「64 ロクヨン」 [読]

これは文句なしに面白い。
平成元年の前、数日の昭和64年があった。そのときに起こった事件は未解決のまま、「ロクヨン」と呼ばれ、県警の刑事たちに生傷で残っている。
警察庁のキャリア組が本部長と警務部長のポストを押さえ、ノンキャリが刑事部長を占める地方警察の構図を、キャリアがすべて支配する全国警察組織へ改編しようとする企みに「64」が利用されようとする。
たたき上げの鬼瓦刑事が人事異動で広報官になり、キャリアの手先として使われる。彼には娘の家出が警務部長に逆らえない枷になっている。その中で誘拐事件が発生する。
夫婦、親子、上司と部下、誇りと服従、鬼瓦の心模様が丹念に描かれながら、最新鋭の装備を使った犯人追跡が始まる。
最後まで息を呑む、すばらしい構想だ。下手な映画化はしないでほしい

64.jpg
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