SSブログ

髙村薫「土の記」 [読]

山持ちの地主の家に都会から婿養子に入った男の物語。
会社勤めを終えて古稀を越え、一人で米を作り、野菜を育て、茶の木の育つのを楽しみに生きる。彼には交通事故で植物人間状態になって十数年の妻がいた。
彼女が死に、一人暮らしの夜や田仕事のさなかに過去が立ち上がってくる。
夢とうつつが入り交じり、田舎暮らしの近所づきあいの中で、亡き妻の娘、孫、義妹たちのことが綴られる。さりげない描写からゾクリとした出来事が浮かび上がってくる。まさしく土と共に生きた男の骨太な物語。
舞台が近くの奈良県大宇陀で、主人公の年齢にも近くとても身近に感じたが、この男の生き様をどう見るか。圧倒される思いで読み終えたが、わからない。
好きな「合田雄一郎」の老年はどう書かれるのだろう。

tutinoki.jpg
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0