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上橋菜穂子「風と行く者」 [読]

いつのことだったか、電車の中で「獣の奏者」を読んでいたとき、その表紙に気づいた小さな女の子がびっくりしたような、うれしいような顔をした。あのとき、こちらから話しかければ良かったのになあと、上橋菜穂子の作品を読むたびに思い出す。
これは、綾瀬はるか主演でドラマ化もされた、女用心棒バルサの外伝。中年になったバルサが死者を弔う楽団一座の護衛を引き受け、かつて養父ジゴロとともに同じ楽団の用心棒となった過去が綴られる。
国際アンデルセン賞を受けたこの人の本は、いつも全編に哀しみが漂う中で、あたたかさが心にしみる。あとがきに「弔いと気づきと救いを感じていただけたら」とある。

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