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天童荒太「巡礼の家」 [読]

苦しみと悲しみを抱えてさまようお遍路さんのための宿が道後温泉にある。
災害で両親が行方不明となった少女が、預けられていた親戚から逃げ出して、この宿の女将に助けられる。
彼女がこの家での経験を通して強く育って行く物語。
いつも弱い者に寄り添う作者の本領が発揮されたとてもいい小説だ。前作の「ペインレス」が今ひとつだったので、よけいそう思う。
「みんな生まれて死ぬまで、幸せと救いを求めて、この世を旅する巡礼じゃ」

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