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大沢在昌「鮫島の貌」 [読]

キャリアなのに新宿署生活安全課の刑事、鮫島は悪を決して見逃さない。
昨年、シリーズ第10作「絆回廊」が出たばかりだが、こちらは脇役の目から見た鮫島を書いている。いわゆる外伝だ。
上司桃井課長との出会い、宿敵間野総治の後日譚がある。こち亀の両さんらしき人物には笑ってしまうが、全編に漂う新宿鮫の匂いは健在で、挽歌の趣だ。
もっとも、シリーズを読んだことのない人には分かってはもらえまいが。

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貘(ばく) [詩]

中島みゆきが、かつて長門裕之、南田洋子夫妻が司会をしていた「ミュージックフェア」で、泣きながら「ホームにて」を歌ったのはもう30年以上も前のことだ。
田舎から出てきて一人暮らしの頃、偶然に見たのだが、今でも忘れられない。
昨年暮れに発売されたアルバムをようやく手にしたら、キムタクのドラマのテーマ曲よりも、こちらの方が昔を思い出してすっかり気に入ってしまった。
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「バクです」
        作詞、作曲/中島みゆき
 
バクです バクです 今の今からバクになる
バクです バクです バクになることにしたんです
あんたの 悪い夢を喰っちまいます
あんたの 怖い夢を喰っちまいます
あんたの つらい夢を喰っちまいます
あんたの 泣いた夢を喰っちまいます
バクはまったく平気なんです
痛くもかゆくもないんです
腹いっぱいになりすぎたなら
ふわりふわりと浮きそうだ
そしたらバクは夢を見るんだ そしたらバクは夢を見るんだ
笑ってるあんたの夢を見る

バクです バクです 今の今からバクになる
バクです バクです バクになることにしたんです
あんたの 悲しいことを喰っちまいます
あんたの 寂しいことを喰っちまいます
あんたの 苦しいことを喰っちまいます
あんたの 痛いことを喰っちまいます
バクはまったく悪(あく)もの喰いで
何んでも彼んでも喰うんです
心配されても その心配さえ
うまいうまいと喰いそうだ
バクは1人で喰い続けてる バクは1人で喰い続けてる
笑ってるあんたの夢を見るまで

バクの上に夢よ降り積め あんたの捨てたい夢よ降れ
バクは1人で喰い続けてる バクは1人で喰い続けてる
笑ってるあんたの夢を見るまで
バクです バクです 今の今からバクになる

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萩原浩「月の上の観覧車」  [読]

若いころは、それがどんなに相手のことを思っていることだとしても、結果は自分が生きることで精一杯になる。
そして、気がつけば大切なものをなくしている。
8編の哀しい物語なのに、一筋の光が残る。いずれもしっとりとした佳作だが、マジシャンと孫を書いた「上海租界の魔術師」が特に印象深い。

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メジロ [鳥]

冬の間だけ野鳥にも餌をやる。中でもミカンはメジロが大好きだ。
子どものころ、メジロを飼っている家があって、うらやましくて仕方がなかった。
このほど野鳥の飼育が全面的に禁止されることになった。
保護のために当然のことなのだが、金儲けではなくささやかな楽しみに、家で1羽のメジロを飼うこともできなくなったのはちょっと残念。でも、飼いだせば1羽でおさまらず、メジロで飽きたらず、ということになるからなあ。

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映画「日本列島いきものたちの物語」 [観]

一体どうすればこんな撮影ができるのだろう。
恐ろしいヒグマや、神戸の六甲山でハイカーを襲ったこともあるイノシシのドアップがある。
吹雪の下北半島や、台風の屋久島の映像にレンズの水滴が全くなく、一度も揺れない。
ヘリから撮ったとしか思えない、山の木々が若葉から紅葉していく変化の映像が全くずれない。
補助的にCGを使っているのだろうか。
だとしても、美しい、すばらしい動物たちの表情だった。

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堂場瞬一「共鳴」 [読]

定年退職した元刑事は、十数年経った今でも、「県警防犯アドバイザー」として飛びまわるスーパー爺さん。
現役時代に培ったネットワークで地域の人達から頼られる。
しかし、彼には娘との確執があり、孫は引きこもり・・・。
テンポが良くておもしろい。
身につまされる話だが。

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ウグイス初鳴き [鳥]

今朝、大阪府営長野公園(丸山地区)でウグイスの初鳴きを聞いた。
ウグイスは、夏から冬までは、笹鳴き(地鳴き)と呼ばれる「チャッ、チャッ」という声でしか啼かない。
あの「ホー、ホケキョー」という美声は、繁殖を迎える春の訪れを知らせてくれる。
新しい年になって、いつそれを聞くことができるのか、鳥見人には楽しみの一つだ。
風はまだ冷たいが、光はもう春だ。

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映画「はやぶさ」 [観]

探査機「はやぶさ」が奇跡といわれた帰還を果たしたとき、カプセルを送り届けるように後を追いながら流れ星となって散った映像を、2年近く経った今でも熱く思い出す。
竹内結子が主演した前作が今ひとつだったので、「はやぶさ」のイメージが壊されないか、期待と不安半々で観にいった。
川口淳一郎プロジェクトマネージャー役の渡辺謙がカッコ良すぎるが、町工場の親父を演じた山崎努がいい重しになっていて、楽しめた。
ただ、ラストがあまりにも、なあ・・・。

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サンマの丸干し [食]

私が子どもの頃を過ごしたのは、三重県と奈良県、そして和歌山と3県にまたがる県境の山奥だった。
魚といえば干物が中心で、冬季はサンマになる。それが開きではなく、丸干しだ。
大阪ではなかなか手に入らないのだが、田舎から送ってきてくれた。
開きでは味わえない、はらわたの苦みが何ともうまい。熱燗だとなお旨い。
小さい頃は身しか食べられなかったのだが、年をとったということだ。

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