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映画「最強のふたり」 [観]

事故で首から下が麻痺した大富豪と黒人の介護士の話。実話だという。
誰もが1週間しか続かない、介護士の面接に失業中の若者がやってきた。失業手当を手に入れるアリバイ作りの求職活動だったのに、富豪が興味を持った。
住み込みになった若者は、粗野丸出しだが、富豪を障害者として特別視しない。二人はやがて男同士の絆を深めて行く。クスクス笑いをこらえるのに困る。いい映画だった。

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ジョウビタキ初認 [鳥]

いよいよ大陸から冬鳥がやってくる。
2、3日前から朝出かけるとき、「ヒッ、ヒッ、ヒッ」という声を聞いていたのだが、今日初めて庭で姿を見かけた。昨シーズンは雄が縄張りにして居着いてくれた。今年はこの雌がこのままいてくれるだろうか。ムラサキシキブも、ニシキギも実をつけていなくて申し訳ないな。

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冲方丁「光圀伝」 [読]

黄門さまは瞬間湯沸器だったという。題名通り、水戸光圀の生涯を書いた作品だ。
藩主の世継ぎの座を獲得する幼少期から始まって、破天荒の青春、多くの別れ、儒学と詩文への傾倒、藩主の苦悩、親としての喜びから死まで綴られる。大部だが飽きない。
テレビドラマは欠かさず見てきたが、まったく新鮮な気持ちになった。

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映画「ツナグ」 [観]

一生に一度一人だけ死んだ人に会わせてくれる、超能力者がいる。彼女は老い、孫に使命を託そうとする。
その修練の中で担当する3組のケース。病死した母親に会いたい中年男は子育てに苦しむ。ケンカ別れしたまま交通事故死した女子高生の親友。突然行方不明になった婚約者を忘れられない男。
結末は予想されるとおりなのに、しみじみ見入ってしまった。

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夕陽丘高校音楽科定期演奏会 [観]

大阪府立夕陽丘高等学校には音楽科があり、年に1回定期演奏会が行われる。縁あって観賞させてもらうようになって5回目になる。今年もNHK大阪ホールは満席だった。
技倆の善し悪しなどわかるわけもないのだが、16、7の子どもたちが必死になるさまは、それだけで胸を打つ。
湯浅卓雄を客演指揮者に迎え、合唱を含めた全員による最後の合同演奏は「威風堂々 第1番」だった。

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原田マハ「楽園のカンヴァス」 [読]

ピカソに影響を与えたアンリ・ルソーという画家がいたらしい。
彼の代表作とされる「夢」には、対となるもう一枚の作品があり伝説のコレクターが所持しているという。そのコレクターから日米のルソー研究家に招待状が届く。真贋を見極めて欲しい、勝者にはその絵の権利を譲ると。
謎解きにロマンスを絡めて、美術のことはよく分からないが、最後まで楽しませてくれた。

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高野史緖「カラマーゾフの妹」 [読]

大作はいつか読みたい、読もうと思っているうちに歳をとってしまった。
ドストエフスキーが書くはずだったという続編に挑み、父親殺しの真犯人を捜し出す。要所に原本のストーリーが織り込まれ、わかりやすい。
兄弟には妹がいた、という設定だが今ひとつその役割が分からない。でも、まあまあ面白かった。

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コウノトリ見たあ [鳥]

昨日7日は野鳥の会のタカ渡り探鳥会だった。肝心のタカはさっぱりだったのだが、何とコウノトリが見られた。それも6羽も!
場所は和歌山県かつらぎ町の紀ノ川は中流域、午後2時頃、6羽が川の上を帆翔した後、上流へ東へ飛び去った。双眼鏡の距離ではなく、望遠鏡でもかろうじて鳥の特徴が分かる程度だったが、なんといっても6羽という数がネックになった。これまで観察記録があるのは、兵庫県豊岡から放鳥された個体や野生個体もほとんどが1羽だった。最初は「ツルだ」という声も出たほど、にわかには信じがたい。
半信半疑で探鳥会は終了したのだが、幸運にも当日は日本バードレスキュー協会の理事長さんが参加されていた。本日、コウノトリの郷公園に確認を取っていただいたところ、10/3に一山越えた北の大阪府和泉市で7個体が確認されており、そのうちの5羽は脚環から今年生まれの幼鳥であったこと、前日10/6まで和泉市で観察されていたが、その後行方不明になっているとのことだった。
これで間違いない。うれしい、まさかこんなところで見られるとは。つくづく思い込みはいけませんねえ。

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映画「ボーン・レガシー」 [観]

CIAが、薬物で肉体と精神を改造し、暗殺者を養成している。その秘密プログラムが暴かれようとしたため、計画に携わった研究者や暗殺者たちの抹殺にのりだす。
一人生き残った暗殺者が、同じ境遇になった女性研究者の助けを借りて、逃げる。
既に作られている「ボーン」シリーズのもう一つの物語、という設定だそうで訳の分からないところもあるが、アクション映画としてはまあ面白かった。

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柚月裕子「最後の証人」 [読]

雨の夜、塾帰りの息子が轢き殺された。
加害者は、信号無視で飲酒運転だったのに、刑事訴追されない。理由は警察関係者だったからだ。
絶望の淵から両親の復讐が始まる。事件の顛末と裁判の様子が平行して書かれていくが、最後まで結末を悟らせない。
柚月の新作「検事の本懐」ですっかり気に入った、佐方貞人が既に弁護士に転身している前作になる。こういう男を設定する女流作家というのは、どういう精神の持ち主なのだろう。続編を読みたい。

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