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小川洋子「ことり」 [読]

孤独死した小父さんは鳥かごを抱えていて、放たれたメジロは別れを告げるように囀った。
言語障害の兄は小鳥の言葉が分かるようで、両親は理解できなかったが、小父さんは言葉が通じた。両親の死後、兄と二人で暮らし、兄が死んでからは一人で生きた男。
幼稚園の鳥小屋を掃除し、淡い恋をし、濡れ衣を着せられ、良き理解者だった園長は去る。そして、最後に密猟されたメジロたちの命と引き替えるように生涯を終える。
彼の一生が淡々と綴られる。それだけの物語なのに味わい深い。

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