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映画「真夏の方程式」 [観]

不可解な殺人事件を解決するガリレオ・湯川准教授の最新作。
豊かな海の環境保全と開発に揺れる小さな町。旅館の客が散歩中に転落死したと思われる事件が起きる。男は元警視庁の刑事で、死因は一酸化炭素中毒だった。
何となく事件が解決していくような展開が、最後に思わぬ結末になる。
これまでの、人情に絡めた定番の謎解きに深みが加わった。

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川村元気「世界から猫が消えたなら」 [読]

一人で暮らす若者が脳腫瘍で余命わずかと宣告され、大切なものと1個と引き替えに、1日の生が悪魔から保証される。
別れた彼女といつも話していたケータイ、好きだった映画、そして時計の次に指名されたのは、亡くなった母が可愛がっていた猫だった。
長く犬は飼っていた。でも、こういう本を読むと、猫もいいなあ。

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百田尚樹「海賊と呼ばれた男」 [読]

子どものころ、田舎にあったガソリンスタンドは出光興産のアポロだけだった。
国際石油資本に対抗して一代で石油販売会社を興した男、出光佐三の生涯を書いた。なんといっても戦前戦後の事実が背景にあるから、はらはらどきどき、一気に読まされる。
味方の側に悪人が出てこないので、すこしのっぺりした感じは残るが、面白い。つくづく、人は大事に育てること、自分は必死に生きることの大切さをあらためて教えられる。
それから、イランがとても身近に感じられるようになった。これまではサッカーの強敵と、石油をちらつかせる胡散臭い国だと思っていたのだが。

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映画「風立ちぬ」 [観]

堀辰雄の「風立ちぬ」を読んだのは二十歳の頃だったか。
この歳になってスタジオジブリの作品で観られるとは、うれしいというか、懐かしいというか、しみじみとするというか。
零戦を造った堀越二郎を主人公にして新しい物語に仕上がった。大胆な時間の省略が効いている。
当時の閉塞感と現代と、何とよく似ていることか。「いざ生きめやも」。

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石川探鳥会 [鳥]

日本野鳥の会大阪支部が毎月第3日曜日に行う石川探鳥会。
7月はふだんお世話になる探鳥地の清掃活動をする。いつも欠席なので、今日は参加しなければ。
勇んで行ったが、暑いのなんの。それでもゴミを拾いがてら、24種を観察した。
11人が参加されたが、きっとご褒美にいいことがあるだろう。

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餃子の木 [鳥]

夕方、今年生まれと思われるシジュウカラが庭にやってきた。盛んに何かをつついている。いなくなってから出てみると、羽化中のセミだった。
ここで暮らして25年、初めてのことだ。セミは何年地中で過ごすのだったか、感慨深い。
家人にも見せようと呼ぶと、「餃子の木だあ」と言う。喰われたセミの上を見ると、ほったらかしの梅の木に抜け殻が鈴なり。
なんとまあ。

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伊藤計劃✕円城塔「屍者の帝国」 [読]

19世紀末、各国が覇権を競った時代、死人を甦らせて生者の従僕として使う技術の開発にしのぎが削られていた。
それは屍者の軍隊となる。
その発端はフランケンシュタインだった。彼を追ってイギリスからインド、アフガン、日本、アメリカと舞台は回る。
面白い出だしだったが、博覧強記的なエピソードの挿入についていけず、途中で訳が分からなくなり最後は読み飛ばしになってしまった。

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映画「ワイルドスピード ユーロ・ミッション」 [観]

とにかくクルマをぶっ飛ばす。暑さにぐったりしたアタマもすっきり。
シリーズものらしい。暴走で指名手配されているグループが警察の協力することになる。
強力爆弾の原料を強奪する犯人の逮捕に協力すれば罪は帳消し、しかも死んだと思われていた元メンバーが犯人側にいるらしい。
まあ、筋はそんなものだが、相手はクルマどころか戦車、飛行機というすさまじさ。

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真夏の大泉緑地探鳥会 [鳥]

二日続いた強風と湿気が収まったら猛烈な暑さだ。近畿も梅雨明けが発表されるだろう。
夏の探鳥会の計画はいつも困る。せめてコアジサシやオオヨシキリなどを見たいとしたものだが、残念ながらカイツブリの親子とスズメとムクドリばかりだった。
七夕なので何か珍しいものを見たい、せめてヨシゴイかササゴイでも出てほしかったのだが。
こんな日に参加される方は本当に鳥好きな人で、この先きっといいことがあるだろう。

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稀勢の里、今度こそ [思]

魁皇が引退した後、「お相撲さん」と呼ばれるのがもっとも似合うのは間違いなく稀勢の里だ。
いつかは横綱にといわれ続けて、気がつけばもう27歳ではないか。
先場所失速しながら、今場所優勝すれば横綱、という大甘な雰囲気になっているらしい。最後のチャンスと思ってがんばってくれよ。
場所が始まって、「またか」とならないように先に書いておく。

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中村文則「掏摸」 [読]

スリの若者の話だが、ただの犯罪小説でもない。。
天才的(?)なスリが刹那的に生きる中で、かつての自分を思い出させるような子どもに出会う。
何か生きる希望のようなものを見つけるが、組織犯罪のワルに取り込まれて働かされ、明日のない状況に追い込まれる。。
人のものを掏るシーンがとても真に迫っていてゾクゾクする。

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映画「奇跡のリンゴ」 [観]

子どものころ田舎では米や畑を作っていたので、作物を育てる上で、害虫や病気の恐ろしさは少しだけだがわかる。
農薬を使わないリンゴ作りに挑んだ男の物語。成功するまで11年かかったという。
すさまじい行動力と精神力だが、それを支えてくれた家族のおかげなのだろう。
つくづく子育ては大切だなあ。

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