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遠藤公男「アリランの青い鳥」 [読]

ドイツもベトナムも統一が成ったが、朝鮮半島はいつのことになるのだろう。
朝鮮動乱で数百万人といわれる人たちが家族生き別れになった。これはその中の一組の物語。
親子で鳥の研究者を目指したウオン一家は、戦争で北と南に引き裂かれる。苦難の中で共に鳥の権威として地位を獲得する。
別れて十数年後、北朝鮮の父が、足にアルミの輪のついたシベリアムクドリを発見する。足輪は鳥の渡りを調査するためにつけられるもので、一つずつ番号がつけられていて、日本で発行したものだった。
シベリアムクドリは日本では生息しない。疑問に思った父が旧ソ連経由で日本に照会する。それは、韓国に住む息子が来日した折りに手に入れたもので、調査のために韓国で装着したものだった。
互いに安否を心配しながらなすすべの無かった親子を、共に生涯の研究の対象とした、野鳥が結びつけてくれた。
30年も前に書かれた児童書だが、実話だという。

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