近藤篤「ボールピープル」 [読]
シルエットのレンジャク [鳥]
霧島は雪 [遊]
映画「アナと雪の女王」 [観]
寺ヶ池にレンジャク [鳥]
宮部みゆき「ペテロの葬列」 [読]
ペテロは、一度はキリストを裏切ったが、それを恥じて戻り共に殺された人という。その人の葬式に参列するのはどのような思いを背負った人間だろう。登場するのはそんな人たちだという意味だろうか。
老人施設帰りの客を乗せた路線バスが乗っ取られ、思わぬ形で事件は終わる。ところが、人質達が犯人に言われた、冗談だと思われたことが実行される。人質達が調べた結果、背景に投資詐欺があったことが明らかになる。
小泉孝太郎が主演したテレビドラマの次作にあたり、俳優達の姿がダブって困ったが、調査を進める中で人間の様々な顔が書かれていて、実に面白い。
事件の全貌が明らかになり、ようやく終わったはずなのに、思いがけないつらい結末を迎える。さりげなく書かれてきた出来事が、重い伏線になっていたことが分かる。易しい言葉でわかりやすく書かれていながら、すごい力量だ。
作者は主人公杉本三郎に深い思い入れがあるのではないか。彼が年齢を重ね、これからも、誰もが抱える人間の善と悪、闇と光を書き続けてくれるような気がする。
老人施設帰りの客を乗せた路線バスが乗っ取られ、思わぬ形で事件は終わる。ところが、人質達が犯人に言われた、冗談だと思われたことが実行される。人質達が調べた結果、背景に投資詐欺があったことが明らかになる。
小泉孝太郎が主演したテレビドラマの次作にあたり、俳優達の姿がダブって困ったが、調査を進める中で人間の様々な顔が書かれていて、実に面白い。
事件の全貌が明らかになり、ようやく終わったはずなのに、思いがけないつらい結末を迎える。さりげなく書かれてきた出来事が、重い伏線になっていたことが分かる。易しい言葉でわかりやすく書かれていながら、すごい力量だ。
作者は主人公杉本三郎に深い思い入れがあるのではないか。彼が年齢を重ね、これからも、誰もが抱える人間の善と悪、闇と光を書き続けてくれるような気がする。
石川探鳥会2014/04 [鳥]
ハッピー「福島第一原発収束作業日記 3.11からの700日間」 [読]
明日で大震災から3年が経つ。テレビの番組などで見る限り、復興はほど遠いようだ。
これはフクシマで収束作業にあたっている作業員の方が書かれた本だ。事故発生当時から現場にいて、ツイッターで発信し続けてこられ、その2年分をまとめられた。
これを読むと、政府や東電の発表がいかに空々しく、未だに危機的な状況が続いていることが分かる。国策として進めてきた事業の後始末なのに、国を挙げての事故処理ではなく、公共事業の一つになってしまっているという指摘は鋭く、重い。
Fukushima50と称賛された一人の現場主任クラスの方のように思われるが、このような人たちが廃炉に向けて文字通り命懸けの作業をして下さっている。
ただ、使命感だけではいつまでも続くはずがない。作業に伴う被曝量が基準を超えれば働けなくなる。生活していけなくなる。それは彼らだけの問題ではない。彼らがいなくなれば作業に精通したベテランがいなくなり、収束が遅れ、危機がさらに増すことになる。出口はあるのだろうか。
これはフクシマで収束作業にあたっている作業員の方が書かれた本だ。事故発生当時から現場にいて、ツイッターで発信し続けてこられ、その2年分をまとめられた。
これを読むと、政府や東電の発表がいかに空々しく、未だに危機的な状況が続いていることが分かる。国策として進めてきた事業の後始末なのに、国を挙げての事故処理ではなく、公共事業の一つになってしまっているという指摘は鋭く、重い。
Fukushima50と称賛された一人の現場主任クラスの方のように思われるが、このような人たちが廃炉に向けて文字通り命懸けの作業をして下さっている。
ただ、使命感だけではいつまでも続くはずがない。作業に伴う被曝量が基準を超えれば働けなくなる。生活していけなくなる。それは彼らだけの問題ではない。彼らがいなくなれば作業に精通したベテランがいなくなり、収束が遅れ、危機がさらに増すことになる。出口はあるのだろうか。