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藤岡陽子「手のひらの音符」 [読]

集合住宅で助け合って生きてきた幼なじみが中年になって再会する。
女は服飾デザイナーとして自立したが転職を迫られる。男は親の夜逃げのために消息を絶ったあと、亡き実父の跡を継いでいた。
恩師の見舞いを軸にして、子どもの頃のことがフラッシュバックで綴られていく。
「トライアウト」もそうだったが、この人の作品はしんみりして最後は温かくなる。大人のための良質な童話だ。

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