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宮部みゆき「希望荘」 [読]

困った人を見捨てておけない男の物語。
一代で大企業を起こした会長の外腹の娘と結婚した杉村三郎は、数々の事件に巻き込まれ、あるいは自分で呼び込んで、妻の不倫を機に離婚し私立探偵となった。
記念の作品集は、彼が探偵となった経緯も含めて、4件の出来事が綴られる。
死んだはずの老女探し、「殺人」を告白して死んだ老人ホームの男の真実、行方不明になったそば屋の入り婿、大震災に巻き込まれたと思われる男の捜索。
いずれも背後に苦しい弱者がいて、そしてこの作者は常に彼らをあたたかく書く。いつまでも続けて欲しいシリーズになった。

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