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辻原登「籠の鸚鵡」 [読]

1980年代バブル期の和歌山が舞台。役場に勤める慎ましい男の楽しみは、休日に町へ出て映画を観、少しの酒を飲むことだった。
あるとき、ふとバーに立ち寄ったことから転落が始まる。ママには不動産業を営む夫がいて、その夫の悪事につけ込むヤクザがいた。
実際にあった公金横領と暴力団の抗争を題材にした小説ということだが、スリリング、スピーディでとても面白かった。題名は主人公の一人であるママのことを指すのだろうか。
著者は芥川賞作家で70歳を越えているというのも驚く。

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