一年の終わりに見た映画は清々しいものだった。
東京のスカイツリーを見上げるおんぼろアパートに住み、公共トイレの清掃を仕事にする、初老の男の毎日が淡々と綴られる。
神社の回りを掃く音で目覚めてから、1970年代のポップスをカセットテープで聞きながら職場に向かい、仕事の後の一杯を楽しんで、本を読みながら寝てしまう。休日はコインランドリーに行き、古本屋に寄って、なじみの飲み屋に向かう。
そんな生活にときおり挟まる小さな事件が主人公の過去を暗示し、しかし、こころ豊かに生きる未来を示してくれる。