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エリフ・シャファク「レイラの最後の10分38秒」 [読]

イスタンブールで暮らしたある娼婦の物語。
第二次大戦後、トルコで二人の妻を持つ男の最初の子として産まれたレイラは、理不尽にも実母と違うもう一人の妻の子として育てられ、長じては父の弟に乱暴される。
家出してイスタンブールに出るが、待っていたのは娼婦としての生活だった。そして、最期は頻発する娼婦殺しの被害者の一人となった。
ある研究によると、心臓が動かなくなってから脳波が停止するまで10分38秒かかった例があるという。それを踏まえて、殺されてから意識がなくなるまでの間にレイレが人生を思い返す形で、トルコの歴史を絡めて物語が進む。
これでは救いようのない話に見えるが、全くそうではない。5人の友達が登場し、レイラがいかに一生懸命に生きたか、そして最後は救われる姿が描かれる。
このような本は自分では見つけられない。新聞の書評で知ったのだが、印象深い一冊になった。

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