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宮部みゆき「子宝船」  [読]

本所深川で暮らす二人の孤児の物語。岡っ引き見習いの北一と、暗い過去を抱える喜多次が事件を解決する「きたきた捕物帖」の第二弾。
今回は赤ちゃんを亡くした親たちの哀しみが引き起こす騒動と、親子3人が殺される事件。人間の妬みがそれらを引き起こしていく過程が、著者のいつもように、丁寧に明かにされていく。
「著者が生涯書き続けたいと願う新シリーズ」という宣伝通り、新しい脇役達も登場し、北一が成長していく楽しみな物語になった。
この人の作品では、探偵の「杉村三郎シリーズ」と、時代物の「三島屋変調百物語シリーズ」も待ち遠しく、そちらはどうなってしまうのだろうと心配したりする。でも、きっとマルチで書いてくれるのだろう。

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