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上橋菜穂子「香君」 [読]

遙か昔、人々を貧困から救った神の米があった。
この米をもたらし、香りで森羅万象を知ることができる生き神「香君」の庇護のもとで、発展を続ける帝国がある。あるとき、その神米に虫害が発生し、飢饉が目前に迫る。
かつてこの帝国から追われていた地方の王国の娘は、人波外れた臭覚をもち、「香君」に仕えながらその米に秘められた謎に迫っていくことになる。
いつものようにハラハラしながら面白く、そしてハッピーエンドなのになぜか哀しみが残る。上橋ワールドそのものだ。

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