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馳星周「少年と犬」 [読]

かつて13年間、ゴールデンを飼った。40代後半から50代の終わりまで、勤めていて苦しい時期だった。気持ちを落ち着かせてくれた、あのぬくもりは今も忘れない。
これは東北大震災に遭った犬が飼い主と別れ、何かを探して旅に出る。途中で出会った、若い男、泥棒、中年の夫婦、娼婦、老いた狩人、そして少年とのふれあいの物語。
あり得ない、とわかっていても涙なしでは読めなかった。珠玉の作品とは、このようなものをいうのだろう。

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