池井戸潤「陸王」 [読]
ユッシ・エーズラ・オールスン「特捜部Qー知りすぎたマルコ」 [読]
アーナルデュル・インドリダソン「緑衣の女」 [読]
松原始「カラスの教科書」 [読]
浅田次郎「帰郷」 [読]
蓮實重彦「伯爵夫人」 [読]
米澤穂信「王とサーカス」 [読]
吉本ばなな「ふなふな船橋」 [読]
宮下奈都「羊と鋼の森」 [読]
砂田麻美「一瞬の雲の切れ間に」 [読]
桐野夏生「バラカ」 [読]
相場英雄「ガラパゴス」 [読]
柚月裕子「孤狼の血」 [読]
乙川優三郎「ロゴスの市」 [読]
野口武彦「花の忠臣蔵」 [読]
天童荒太「ムーンナイト・ダイバー」 [読]
梯 久美子「愛の顛末」 [読]
河﨑秋子「颶風の王」 [読]
金時鐘「日本と朝鮮に生きる」 [読]
ピエール・ルメートル「天国でまた会おう」 [読]
元日に本を読むなんて生まれて初めてかもしれない。暮れに読み始めたら、面白くて止まらなくなった。
舞台はフランス対ドイツの第一次世界大戦。フランス軍の3人の兵士が主人公だ。小心者の銀行員、大富豪の息子の芸術家、そして彼らの上官となる没落した貴族の跡取り。
戦争をバネに復活をもくろむ貴族と、彼の陰謀にはまった銀行員と芸術家が戦後のパリで生きる。金儲けに成功する貴族に対し、後遺症に苦しむ銀行員と芸術家。3人が交錯する物語はまったく予想できない展開になる。
抜群に面白かった「その女アレックス」の作者の作品。こういう小説はどういうジャンルにくくられるのだろうか。フランスでは冒険小説ともいわれているらしい。
題名は、敵前逃亡の汚名を着せられて処刑されたフランス軍の兵士が残した言葉からとられたという。「あの空で待ち合わせだ。神が僕らを結びつけてくれる。妻よ、天国でまた会おう・・」。
舞台はフランス対ドイツの第一次世界大戦。フランス軍の3人の兵士が主人公だ。小心者の銀行員、大富豪の息子の芸術家、そして彼らの上官となる没落した貴族の跡取り。
戦争をバネに復活をもくろむ貴族と、彼の陰謀にはまった銀行員と芸術家が戦後のパリで生きる。金儲けに成功する貴族に対し、後遺症に苦しむ銀行員と芸術家。3人が交錯する物語はまったく予想できない展開になる。
抜群に面白かった「その女アレックス」の作者の作品。こういう小説はどういうジャンルにくくられるのだろうか。フランスでは冒険小説ともいわれているらしい。
題名は、敵前逃亡の汚名を着せられて処刑されたフランス軍の兵士が残した言葉からとられたという。「あの空で待ち合わせだ。神が僕らを結びつけてくれる。妻よ、天国でまた会おう・・」。
中島京子「かたづの!」 [読]
西川美和「永い言い訳」 [読]
吉田修一「森は知っている」 [読]
ケン・リュウ「紙の動物園」 [読]
東山彰良「流」 [読]
澤田瞳子「若冲」 [読]
後藤正治「天人 深代淳郎と新聞の時代」 [読]
朝日新聞嫌いの人でも、朝刊一面のコラム「天声人語」のことは知っているのではないか。
その欄を1973(昭和48)年2月から1975(昭和50)年11月まで担当し、急性骨髄性白血病で夭折した新聞人の伝記である。
その時期は毎日新聞を取っていたので知らなかったが、本の中で紹介されている多くの「天声人語」を見ると、いかに惜しい人だったのかがわかる。故人や同業者を語る際の礼節などがあるにしても、深代淳郎に対する著者の敬意と好意がにじみ出ている。
朝日はいま、慰安婦報道を巡る誤りの連鎖で、存亡の危機にある。この本を読んで、もう少し応援してみようかという気持ちになった。
コラム名の「天声人語」とは「天に声あり、人をして語らしむ」という中国の古典からとられたらしいが、深代はこう書き残したそうだ。「しばしばこの欄を、人を導く『天の声』であるべしといわれる方がいるが、本意ではない。民の言葉を天の声とせよ、というのが先人の心であった」。
その欄を1973(昭和48)年2月から1975(昭和50)年11月まで担当し、急性骨髄性白血病で夭折した新聞人の伝記である。
その時期は毎日新聞を取っていたので知らなかったが、本の中で紹介されている多くの「天声人語」を見ると、いかに惜しい人だったのかがわかる。故人や同業者を語る際の礼節などがあるにしても、深代淳郎に対する著者の敬意と好意がにじみ出ている。
朝日はいま、慰安婦報道を巡る誤りの連鎖で、存亡の危機にある。この本を読んで、もう少し応援してみようかという気持ちになった。
コラム名の「天声人語」とは「天に声あり、人をして語らしむ」という中国の古典からとられたらしいが、深代はこう書き残したそうだ。「しばしばこの欄を、人を導く『天の声』であるべしといわれる方がいるが、本意ではない。民の言葉を天の声とせよ、というのが先人の心であった」。